日本共産党

2004年4月29日(木)「しんぶん赤旗」

警察裏金の返還初勧告

北海道監査委員 弟子屈署の違法支出認定


 北海道警弟子屈(てしかが)署の不正経理疑惑をめぐる住民監査請求で道監査委員(徳永光孝代表監査委員)は二十八日、二〇〇〇年度の捜査用報償費三十五万円(道費)について、「違法又は不当な公金の支出」と認められるとし、六月までに「損害補填(ほてん)のための必要な措置」をとるよう道公安委員会に勧告しました。

 警察の裏金疑惑に対する住民監査請求での返還勧告は全国初。同署の報償費不正疑惑では市川守弘弁護士が住民監査請求をしていました。

 徳永代表委員らは会見で、弟子屈署での聴取結果は「すべてが不実」と言い切り、「道警疑惑は大きな世論の中にある」と道警にきびしい対応を示しました。

 監査結果では「弟子屈署では九九年度も同様に裏金づくりをしていた」とし、当時の会計職員への事情聴取から「他署でも行われていたことをうかがわせる」などと踏み込んだ判断をおこないました。

 道警の裏金づくりが、長期にわたり「組織的に」繰り返し行われていたことが浮き彫りになりました。

 道警は中間報告で、実名告発した斎藤邦雄氏=元同署次長=の在職していた二〇〇○年度だけ不正を認め、同氏個人に責任を押し付けていましたが、監査結果はこれに強い疑問をつきつけるものです。

 他方、監査報告は、裏金づくりについて、道警本部の了解や上層部の指示があったとまでは言いきれない、としました。

 徳永代表監査委員は「(不正経理は)道警全体の問題として受けとめるべきだ」と強調しました。道監査委員は道知事の要請で道警全部署について引き続き監査を実施しています。


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