2004年4月29日(木)「しんぶん赤旗」
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二十八日の参院本会議で、裁判員法案の審議が始まりました。日本共産党の井上哲士議員は「戦後初めて刑事裁判に一般国民が参加する点で大きな意義がある」とのべ、裁判員制度の意義を生かすには、裁判員の実質的な裁判参加が実現できる制度にすることと、国民が参加しやすい制度にすることが必要だとのべました。素人である裁判員が委縮することなく発言できるようにするために裁判官三人、裁判員六人としている構成を「少なくとも裁判員を裁判官の三倍にするべきだ」と指摘。自白の任意性をめぐる審理の長期化を解決するために取り調べ過程を録画・録音する「可視化」が必要だと主張しました。
裁判員が判決後も自分の意見や量刑の当否について意見をのべてはいけないという守秘義務を課しているのは行き過ぎであり、守秘義務の範囲を限定し、懲役をはずすべきだとのべました。
裁判員制度に伴って提出された刑事訴訟法「改正」案について、「被告人の防御権・弁護権を侵害しかねない問題点が含まれている」と指摘。開示証拠の審理の準備以外での使用禁止は、無実を訴える被告人の支援活動まで妨げるものであり、禁止規定を外すべきだと強調。訴訟指揮権の実効性の確保の名のもとに弁護活動にたいする裁判所の制裁権を新設する必要性はないとのべました。
野沢太三法相は裁判員の実質的な裁判参加について「法案では、裁判長は裁判員の発言の機会を十分設けるなど配慮するよう定めている」とのべました。