2004年4月28日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党の宮本たけし議員は二十六日の参院決算委員会で、繊維大手クラボウ(本社・大阪市)の思想差別事件をとりあげ、差別への厳正な対処を求めました。
クラボウ思想差別事件は、同社の二人の社員が日本共産党員であることを理由に二十五年以上にわたり昇給昇格の差別や隔離などの人権侵害をうけたもので、二〇〇三年五月大阪地裁で同社の反共労務政策を労働基準法第三条違反(信条を理由にした差別的扱いの禁止)とし、差額賃金と慰謝料などの支払いを命ずる判決が出ました。
また、クラボウの厳重な処罰を求める告訴状が同年六月大阪労働局で受理され、今年四月、本社などが強制捜査されています。
宮本氏は思想差別事件について「労基法三条に違反する行為が明らかになれば、速やかに厳正な対処をするか」とただしました。
松崎朗厚労省労働基準局長は「法律に違反する行為が確認されれば是正に必要な指導監督を行う」と答えました。
宮本氏は、判決文はクラボウの違法行為を断定していると指摘。労基署の予算不足が原因で違法行為が見逃されることがないよう求めました。松崎氏は「きちんと対応していく」と答えました。
審議を傍聴した原告の宮崎周吉さん(54)は「違法行為は是正していくとの答弁があり、これからの運動に役立ちます」と感想をのべていました。