日本共産党

2004年4月27日(火)「しんぶん赤旗」

武富士から背広仕立券?

佐藤警察庁長官(警視庁部長の92年当時)に

渉外部長陳述書で判明


 佐藤英彦警察庁長官が警視庁刑事部長当時の一九九二年、サラ金最大手「武富士」側から額面五十万円の高級背広仕立券を受け取っていた疑惑が二十六日の参院決算委員会で明らかになりました。日本共産党の宮本岳志参院議員が同社元幹部が民事裁判で提出した陳述書をもとに追及したものです。

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質問する宮本岳志議員=26日、参院決算委

宮本議員、参考人招致を要求

 宮本議員が示したのは、藤川忠政・元武富士渉外部長が二つの民事裁判に提出した二通の陳述書。裁判は、(1)藤川氏が武富士に暴力団対策などの報酬四億円の支払いを求めた訴訟(2)武富士が藤川氏と講談社を名誉棄損で訴えた訴訟。このいずれでも藤川氏の勝訴が確定しています。

 報酬請求の裁判で藤川氏が提出した陳述書(九七年十月三十日付)によると、藤川氏は同社渉外部長として、同社の顧客情報が漏えいした問題で刑事告訴をするため、九二年十二月、警視庁刑事部長だった佐藤現長官と面談しました。

 同席したのは、武富士顧問だった福田勝一元警視総監(故人)。このとき、「福田氏が手ぶらでは行けない(という)ので、昇任祝いということで武井(保雄)会長から預かった背広仕立券を福田氏が佐藤刑事部長に渡しました」とのべています。

 陳述書は、福田氏が捜査を要請して「事件の内容から生活経済課でどうだろうか」と佐藤氏にたずね、佐藤氏は「そうですね」とこたえたとしるしています。

 藤川氏は、名誉棄損裁判に提出した陳述書(九七年六月十七日付)でも同じ背広仕立券を渡したことに言及しています。

 「佐藤刑事部長と面談することになり、英国屋(額面五十万円)の仕立券一枚を用意し、…佐藤刑事部長と福田元総監、藤川の三名で会い、どこの部署で取り扱うのかを相談いたしました」とのべています。

 藤川氏はまた、二つの陳述書で、当時神奈川県警刑事部長だった知念良博警察庁官房審議官に「ビール券を渡した」とものべています。

 宮本議員の追及に警察庁の吉村博人官房長は「長官と審議官に確認し、そのような事実はないと判断している」と答弁しました。宮本議員は「真相解明をする必要がある」と佐藤長官らの参考人招致を要求しました。


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