日本共産党

2004年4月27日(火)「しんぶん赤旗」

共産党員町長誕生から1年 岡山・金光町

建設業者入札ガラス張り 乳幼児医療無料を拡充

町民“公約次々実行すごい”


 金光教発祥の地で、植木の産地としても知られる岡山県金光(こんこう)町は、日本共産党町議だった片山均町長(66)の誕生から一年がたちました。町長選での公約を次々実行し、町民たちが待ち望んだ「清潔、公正」な町づくりに大きく踏み出しています。岡山県・宮木義治記者

 業者との癒着など、黒いうわさの絶えなかった前町長に四十六票差で競り勝って片山町政が誕生したのは昨年の四月二十七日。その後の一年、片山町長は、前町長が有料化した町民会館の使用料を無料にもどし、六歳未満児までだった乳幼児医療費無料化を十歳未満児までに拡大。町長給与の三割カットもおこない、誠実に公約を実行してきました。この四月から介護保険料の減免制度もできました。

これ以上の幸せはない

 「公約を全部実行されて、すごいと思うんです。こんないい町、透明な町に住んで、これ以上の幸せはない」というのは、同町佐方に住む佐川恭緑さん(43)。「いつまでも、片山さんの町政が続いてほしいんです」と話します。

 「子どもの医療費も十歳まで無料にして。倉敷市でも五歳までじゃろう。ようやったわ」(七十歳・男性)。文化活動の活発な金光町で「町民会館が無料になったから、料理のグループをまたはじめよう、いうとるんです。活動資金が無いから、助かりょうるんです」(五十三歳・農家の女性)と歓迎されています。

 「政治で一番大切なのは、清潔、公正です」というのは片山さんのモットーで最大の公約。「清潔な町をつくっていく姿勢を住民に見てもらわないと、共産党員の私が町長になった意味がない」と、決意を語ります。

 町内のすべての建設業者に入札の道を開き、予定価格も事前に公表するなど、ガラス張りにしてきました。

 ある建設会社の社長はいいます。「本当に良うなりましたわ。これまでは町長室に出入りする業者だけを入れて、入札したら、いっつも予定価格の98%や99%で落札されとったんです。だれが見ても談合じゃった。片山さんは偏ったことをせんから、みんな喜んどります」

 「どっちかいうたら、自民党支持じゃった」という農家の男性(77)も「不正は大嫌い。清潔、公正な町にしとうて、片山さんを出したわけじゃから、これからが楽しみじゃ」と話します。

 「町民の健康づくりのプランをできるだけ早くやりたい」と話す片山町長。農業や伝統ある植木生産の振興をはじめ、町づくりの抱負を語ります。

 今年度、地方交付税がいきなり12%、二億円も削減され、「新しいことはなにもできない」という状況のもとでも、町の社会福祉協議会に社会福祉士を採用しました。ボランティア団体の「ぜひにも」との要望にこたえて、旧竹(たけ)幼稚園の園舎を利用してボランティアセンターを開設。地域福祉に意欲を示します。

 金光町の植木や造園業もプレハブ住宅やガーデニングブームに押され気味です。このなかで植木協同組合(組合員八十三人)の地方卸売市場が年間九十万円の借地料を払うのも困っていると聞いて全額補助(これまでは四十万円)を予算化し、前町長が減らした植木祭りの補助も復活させました。

 同組合の清水堅士理事長は「いまが過渡期。町長に力を入れてもらわんと、いけん」と期待を寄せます。

町の空気も次第に変化

 町の空気も次第に変わってきました。片山さんを擁立した「清潔公正な金光町をつくる会」の佐野五郎さん(76)は「『片山さん、がんばりょうってじゃなあ。変わって良かった』というのが、前町長に投票した人のなかにもあったりして」といいます。

 金光教の門前通りで店を営む女性(46)はいいます。「平和になったと思うんです。片山さんに魅力がある、期待があるんじゃないですか。共産党として、ちゃんということはいう人だけど、和をつくる人。いままでが偏った町政だったんです」

 金光町 町の面積約二十一平方キロメートルで、人口は一万二千五百十九人。倉敷市の西隣に位置し、近年ベッドタウンとして発展。産業は農業が中心で、特産は植木とナシやモモなどの果物、菊など。金光教発祥の地で本部があります。


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