2004年4月24日(土)「しんぶん赤旗」
二〇〇二年三月に過労死と認定されたTOTOの子会社「東陶インフォム」(北九州市)に勤務していた釘宮恵路さん(死亡時四十二歳)の遺族が、同社を相手取り、損害賠償を求めた訴訟の和解協議が二十二日、福岡地裁小倉支部でありました。同社が遺族側に遺憾の意を表明し、和解金六千万円を支払うことで和解が成立しました。
訴えていたのは、熊本県在住の妻と子ども三人。
和解には、会社が釘宮さんの死を労災と認めつつ、「追悼と遺憾の意を表明」。再発防止について「従業員の健康と生命が損なわれることのないよう、執務環境などについて今後とも最大限の配慮をします」との文言も明記されました。
故釘宮さんの妻は「多くの支援者に後押しされなければここまでくることはできなかった」と語りました。
釘宮さんは一九九四年一月、同社のシステムエンジニアとして入社。勤務は昼間の仕事が終わると、夜は別のソフト開発を担当する過酷な「二重就労」のうえ、徹夜と休日出勤も。亡くなる一カ月前は百時間を超え、九八年五月九日、くも膜下出血で亡くなりました。