2004年4月21日(水)「しんぶん赤旗」
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国のBSE(牛海綿状脳症)対策を悪用した国産牛肉買い上げ事業をめぐる詐欺事件で、逮捕された浅田満容疑者(65)が率いる大手食肉販売会社「ハンナン」グループの役員が山口組系暴力団に便宜供与していたことが分かりました。日本共産党の緒方靖夫議員が二十日の参院経済産業委員会で明らかにしました。
緒方氏によると、便宜を与えていたのは、同グループの「浅田建設」や「マック」の代表取締役を歴任した人物と、浅田容疑者の実弟で同グループ企業の複数の役員を兼務する人物。両氏は、指定暴力団・山口組傘下の山健組本部事務所(神戸市中央区)周辺に保有している土地、約二百六十六平方メートルを山健組の駐車場などに使用させていました。緒方氏は「警察庁は同グループと山口組のこうした親密な関係を把握しているか」と追及。栗本英雄警察庁刑事局長は「捜査に着手している。事件の解明に努めたい」と答えました。
緒方氏は、同グループと政治家との関係について、鈴木宗男被告の政治団体「大阪食品流通研究会」の大阪連絡事務所が、浅田容疑者が社長を務める「南大阪食肉畜産荷受」(羽曳野市)のなかに置かれていることを明らかにしました。同研究会は鈴木被告のために約二億円の資金を集め、松岡利勝元農水副大臣に五百万円を献金している事実を示し、両氏が農水省に国産牛肉買い上げ事業実施を迫ってきたことをあげ、政治家との不透明な関係についても捜査を進めるようただしました。栗本氏は「法と証拠に基づいて厳正に対処する」と答えました。