2004年4月20日(火)「しんぶん赤旗」
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診療報酬改定をめぐる贈賄容疑で東京地検特捜部に逮捕された日本歯科医師会(日歯)会長、臼田貞夫容疑者が昨年十一月、公明党の坂口力厚生労働相と対談、それを日歯の大型広告として公明新聞に掲載し、公明党に広告料金を払っていたことが分かりました。
この広告は日歯の名前で出しながら、実際には政治団体の日本歯科医師連盟(日歯連)が出しているなど、掲載経過も不透明です。
この大型広告は、公明新聞の昨年十一月八日付に掲載されたもの。「11月8日は“いい歯の日”」というテーマで、坂口厚労相と臼田容疑者が対談する形をとっています。一見すると記事にみえますが、紙面の右上には「広告」と記載され、左下には「日本歯科医師会」としるされています。紙面の三分の二を使う「公明新聞」にはめずらしい大型の十段広告です。
公明新聞の広告料金表によると、通常、一段で十六万円とされており、今回の十段の広告料金は推定で約百六十万円とみられます。
本紙の取材に日歯広報担当者は「うちは公明新聞とはお付き合いがなく、こんな広告が出ていたことも知らなかった。一般新聞にもこのような広告は出していない。調べたところ(政治団体の)日歯連が扱ったものだった」と話しました。
日歯の広告として掲載されているのになぜ政治団体の日歯連が扱ったのか、一般紙に出さないような広告をなぜ公明新聞に掲載したのか――など、その経過には不透明な部分があります。
公明新聞は、旧KSD(現、あんしん財団)の広告を掲載し、広告料として総計七百五十六万円を受けとっていたことが発覚。形をかえた政治献金ではないかと批判を受けたことがあります。
診療報酬など厚生労働省が扱う課題が多く、日歯連は公明党の坂口厚労相に接近。愛知県歯科医師連盟の内部文書では、「坂口力厚生労働相が衆議院比例東海ブロックにより出馬を予定されている為、今後歯科医療政策を十二分に理解していただくためにも…公明党も推薦する」などとしるしています。日歯連は、二〇〇二年の政治資金収支報告書に、坂口厚労相のパーティー券の購入費として百万円を支出したと記載。坂口厚労相側は後日、六十万円を返金したと説明しています。