2004年4月19日(月)「しんぶん赤旗」
「政治家に食い込んで利権をあさるのが浅田はんの得意技や」(大阪の食肉業者)―。牛肉偽装事件で逮捕されたハンナン元会長の浅田満容疑者は、国政、府政でも政界に太いパイプをもち、それを最大限に活用して利権をあさってきた人物です。
今回の事件で悪用されたBSE(牛海綿状脳症)対策の国産牛肉買い取り制度をすすめた一人が、元自民党衆院議員の鈴木宗男被告です。浅田容疑者と、この鈴木被告との親密な関係は有名です。
「親せきみたいな人」。鈴木被告は二〇〇〇年一月二十八日、大阪府知事選で太田房江現知事の応援演説で浅田容疑者をこう持ち上げました。
ハンナングループ企業が鈴木被告に高級車を格安で提供。同被告の政治団体「大阪食品流通研究会」の大阪連絡事務所は、浅田容疑者が社長を務める南大阪食肉畜産荷受(羽曳野市)の中におかれていました。同会は十七年間で二億円もの資金を集めています。これらの事実は、「しんぶん赤旗」が指摘しました。
府政でも浅田容疑者は、大きな影響力を行使してきました。
浅田容疑者が深くかかわる松原食肉市場公社(大阪府松原市)の統合問題では、大阪府から総額六十八億円もの異例の財政援助がなされています。
この再編協議のさなかの二〇〇〇年七月八日に太田房江知事が、浅田容疑者の豪邸での宴席に招かれていたことが判明。府議会での日本共産党の指摘に知事は、この事実を認めています。
浅田容疑者と太田府政の癒着を追及してきた党府議団の宮原威団長は「今回の事件発覚、関係者の逮捕は、日本共産党の粘り強いたたかいの成果ともいえます。引き続き国政、府政との関係も含めて追及していきたい」と語っています。