2004年4月18日(日)「しんぶん赤旗」
政府のBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)対策を悪用した大阪府食肉事業協同組合連合会(府肉連)の牛肉偽装事件で、府警捜査二課は十七日、詐欺容疑で大手食肉販売会社「ハンナン」(大阪市中央区)元会長で府肉連副会長・府同和食肉事業協同組合連合会会長の浅田満容疑者(65)=同府羽曳野市向野=を逮捕、ハンナン本社など計十八カ所を家宅捜索しました。
浅田容疑者は「輸入牛肉とは知らなかった」と容疑を否認。しかし同課は、同容疑者が輸入牛肉を国産とした偽装工作全体を主導したとみており、同容疑者らを追及します。
浅田容疑者は十六日早朝から行方をくらましていましたが、同課が十七日夕、大阪市内で見つけ逮捕。逮捕状を取った十一人は、同日までに全員逮捕されました。
ほかに逮捕されたのは、羽曳野市食肉事業協同組合代表理事の細川重人(56)=同府藤井寺市春日丘=、食肉卸会社「平成フーズ」社長田尻正司(56)=広島県呉市山手=の両容疑者ら。
調べによると、浅田容疑者らは二○○一年十二月、府肉連から全国食肉事業協同組合連合会(全肉連、東京都港区)に、約五百七十三トンの買い取りを申請した際、約九十四・五トンの輸入牛肉を混入して国産と偽装。全肉連から約六億三千八百万円をだまし取った疑い。