日本共産党

2004年4月18日(日)「しんぶん赤旗」

イラク人部隊200人拘束

米軍、停戦中にも攻撃

ファルージャ 攻撃参加拒否理由に


 【カイロ=小泉大介】米軍と武装勢力との停戦延長が十六日午前に期限切れとなったイラク中部ファルージャでは同日午後、米軍と地元住民との間で初の停戦協議が行われましたが、合意は得られませんでした。緊迫した状況が続くなか、米軍からファルージャ攻撃への参加を求められたイラク治安部隊が、これを拒否、二百人が米軍に拘束されていることが明らかになりました。

 ファルージャでのこれまでの停戦は、延長期間中の十五日にも米軍が攻撃を繰り返し、多数のイラク人を殺害、モスク破壊も行うなど、実質的には崩壊状態でした。これをうけた十六日の停戦協議では、米軍側が病院への車の乗り入れを可能にするための部隊再配置などを提案しましたが、包括的な停戦を求める住民側と合意に至りませんでした。ただ、停戦協議は十七日も継続される見通しです。

 米軍に拘束されたのは、バグダッドに拠点を置くイラク民間防衛隊所属の第三六治安部隊とされます。

 拘束を免れた複数の同部隊員は「彼ら(米軍)はわれわれに町を攻撃しろといったのでびっくり仰天した。どのようにイラク人がイラク人とたたかえるというのか」「米軍は戦闘機で町を爆撃し、クラスター(集束)爆弾も使用した。私はこの片棒は担げない」「私は逃れたが、約二百人の同僚が残されている。彼らの解放を要求する」とのべました。

 一方、イスラム教シーア派指導者サドル師の拘束あるいは殺害を目的に米軍が二千五百人の部隊を配置している中南部ナジャフ周辺でも緊張が激化しています。十六日にはナジャフ近郊のクーファで、米軍とサドル師を支持する民兵が交戦し、イラク人五人が死亡、二十人が負傷しました。

 サドル師は十六日、クーファで演説し、「米軍との妥協はない」と強調するとともに、「米軍が(イスラム教シーア派の)聖地であるナジャフやカルバラを侵攻することは許さない」とのべ、徹底抗戦の立場を明らかにしました。シーア派最高指導者シスタニ師の代理人も十六日、「ナジャフやカルバラに侵攻すれば強硬な反撃にあうだろう」と表明しました。

 十六日には北部モスルで、米軍基地を狙った迫撃砲が標的をはずれ、イラク人八人が死亡、十七人が負傷する事態も発生しています。


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