日本共産党

2004年4月18日(日)「しんぶん赤旗」

衆院統一補選 争点を埼玉8区に見る


 二十五日投票の衆院統一補選は、埼玉八区、広島五区、鹿児島五区の三選挙区とも日本共産党と自民、民主両党の三党の争いです。日本共産党の志位和夫委員長は告示日の十三日に埼玉八区入り。菅直人民主党代表が同じ日に、小泉純一郎首相(自民党総裁)は十六日に、同区に応援に行きました。イラク、年金、「政治とカネ」の問題という争点を、各党党首が先頭に立って選挙戦をすすめている埼玉八区に見ると―。



  イラク
 米軍の占領支配への態度は

 イラクでは、米軍の無法な報復戦争が拡大し、米占領支配に反対する抵抗運動が広がっています。世界で米国が孤立を深めつつある中、自衛隊を派兵して占領支配を援助しているのが日本政府です。

 ところが、小泉首相は「イラクをテロの温床にしない」などと開き直り、自衛隊派兵に固執する姿勢を示しました。

 日本共産党の志位委員長は、何の罪もないイラクの人々を殺害している米軍の武力弾圧の中止を求めるよう日本政府に要求するとともに、無法な米国の戦争と、占領支配に加担する自衛隊のすみやかな撤退を主張しました。

  年金
 財源めぐる2つの道の対決

 政府の年金改悪案は、保険料の十三、十四年間にわたる引き上げと給付の連続引き下げ、いま受給している人も、これからもらう人も、実質で一律15%カットしようとするものです。小泉首相は、国民の大きな関心になっているこの問題で、政府案について何の説明もしませんでした。

 日本共産党は政府案を「憲法の保障する生存権を侵害する歴史的大改悪」(志位氏)だと批判して廃案を主張。低額年金の底上げをはかり、年金空洞化を克服するため、最低保障年金制度に踏み出すことを提案しています。

 「消費税増税の道か、大企業・財界に応分の負担を求める道か」―志位氏が指摘したように、財源問題は、二つの道の対決が問われています。

 「生活圧迫、雇用に打撃を与える」(菅氏)と政府案を批判する民主党ですが、この点では、年金財源に消費税の3%増税を掲げ企業に負担させないことを財界に売り込んでいます。

 自民・公明両党も二〇〇七年の消費税見直しを公言しています。小泉首相はそのことを棚上げし、年金目的消費税という民主党の主張に「それでは、介護の消費税、医療の消費税ということになる」と、年金目的に限定することにケチをつけるだけでした。

  「政治とカネ」
 腐敗事件をおこした自、民

 埼玉八区補選は、自民党公認で当選した新井正則被告(自民離党)の選挙買収事件がきっかけです。「政治とカネ」の問題への対応が鋭く問われています。

 新井陣営の事件は、政党助成金という国民の税金を使った買収であり、「買収の中でも、もっとも悪質」(志位氏)です。自民、民主両党など全政党が政党助成金に頼っているなか、これを一円も受け取らず、憲法違反の制度そのものの廃止を主張しているのは日本共産党だけです。「この党でこそ、政治の大掃除ができる」との訴えには、共感が広がっています。

 事件を起こした当の自民党は、安倍晋三幹事長が「たいへん迷惑をかけた。おわびしたい」とのべつつ、「ピンチをチャンスに変えたい」(十三日)と居直りました。

 民主党は、選挙買収を「悪質きわまりない」(菅氏)と批判。しかし、公明党の冬柴鉄三幹事長に「民主党では、自治相だった議員が公設秘書給与を詐取したと逮捕された」(十三日)と佐藤観樹前衆院議員の腐敗問題を批判されるありさまです。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp