2004年4月18日(日)「しんぶん赤旗」
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自民党の東京・北区総支部では、総選挙(東京十二選挙区)で自民党候補をとりさげ、公明党の太田昭宏幹事長代行を支援したことをめぐり、激震が続いています。
同支部の役員を務めていた区議ら五人が自民党から除名された問題(本紙二月十八日付既報)でその後、同支部役員の辞任が相次ぎ、地域党員百五十人以上が離党届を提出しました。関係者によると、昨年十一月の党籍更新時に、自公選挙協力をめぐる党運営に嫌気がさして更新しなかった人を合わせると、離党者は三百人近くにのぼるといいます。
きっかけは、総選挙で自民党候補擁立をしなかった党運営を批判して、同北区議らが昨年十二月に北区総支部の役職返上を申し出たところ、自民党都連が二月十日までに離党することを勧告したこと。その後、離党表明がなかったため自動的に除名処分にされました。
三月十八日には、「自民党所属議員が除名処分に!」の大見出しの「自由民主」号外十数万部が、北区内で配布される主要紙に折り込まれました。掲載された同都連の党規委員会(田沢智治委員長)の除名処分の決定では次のようにのべています。「選挙にあたり、北区総支部としての決定は…あくまで自民党の戦いをする事となっており、この決定に違反いたし、野党候補を応援した事実が確認された」。
「自民党の戦い」とは、公明党候補の選挙に自民党を総動員することでした。
除名された安田勝彦・前自民党北区総支部幹事長らは、「自民党が党の候補者を立てずに公明党の選挙の応援をすることは、『政党とはなにか』という根本問題にかかわるのに何の説明もない」と都連の対応を批判。関係者からは「こっちの方が本当の自民党だ」という声もあがっています。
北区内の自民党後援者からは「いきさつがさっぱりわからん」という疑問が広く起こっています。
都連役員もつとめる自民党幹部は「本当は、政権で連立することと選挙協力とは、一緒のようで一緒ではない」とのべています。
ある都連事務局員は「生き残るためには仕方ない。(公明党との協力は)民主党もやってること」と説明。号外がばらまかれたことについては「都連としてやったということになるんだろうが、ああいうやり方はよくない」と語っています。