2004年4月17日(土)「しんぶん赤旗」
大手食肉販売会社「ハンナン」(大阪市中央区)グループが、BSE(牛海綿状脳症)対策の国産牛肉買い取り事業で、輸入肉を国産と偽り、業界団体から六億円余りをだまし取った疑いが強まり、大阪府警捜査二課は十六日、ハンナン元会長で大阪府同和食肉事業協同組合連合会(府同食)会長と府食肉事業協同組合連合会(府肉連)副会長の浅田満容疑者(65)=大阪府羽曳野市=と府肉連関係者ら計十一人について詐欺容疑で逮捕状を取り、自宅や堺市の府肉連を家宅捜索しました。
同課は、府肉連元会長の寺島一容疑者(64)を同容疑で逮捕。一方、所在がつかめていない浅田副会長の行方を追っています。BSE対策をめぐる一連の牛肉偽装では、最大規模の詐欺事件に発展する見通しです。
浅田容疑者は同和系食肉団体の全国専務理事の経歴があり、“食肉のドン”とよばれる存在。その利権疑惑追及がタブー視されるなかで、日本共産党と「しんぶん赤旗」が一貫して追及してきました。
調べなどによると、浅田容疑者は二○○一年秋、同グループが抱える輸入牛肉を国産肉に混ぜ、全国食肉事業協同組合連合会(全肉連、東京都港区)に買い取りを申請。約六億四千万円をだまし取った疑いが持たれています。