2004年4月15日(木)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 解放運動無名戦士の墓というものがあると聞きました。墓のいわれと、「合葬」されるにはどんな経歴、手続きが必要なのか、教えてください。(和歌山・男性)
〈答え〉 「解放運動無名戦士墓」は、日本の進歩と革新、平和と民主主義を守るたたかいの途上で亡くなった人びとを追悼したもので、東京・港区の青山霊園にあります。
戦前は天皇制の暗黒政治のもとで主権在民、侵略戦争反対を主張しただけで逮捕・投獄・拷問され多くの人が尊い命を奪われました。しかも、その遺骨を埋葬する場所さえなかった人が少なくありません。
細井和喜蔵(『女工哀史』の作者、一九二五年八月没)の遺骨も同じでした。そこで、細井遺志会などがよびかけて、社会進歩と革新のために活動し、亡くなった人の「共同の安息の場」として、一九三五年三月に「無名戦士墓」が建てられたのです。
とはいえ、特高警察はこの墓にも目を光らせ、墓参さえ容易ではありませんでした。
戦後、日本国民救援会(一九二八年四月創立、弾圧犠牲者への救援活動をする個人・団体加盟の組織)が同会から譲りうけ、「無名戦士墓」の上に「解放運動」の文字が書き加えられ、今日に至っています。
合葬追悼会式典と墓前祭は、国民救援会をはじめ多くの民主団体と日本共産党が参加する実行委員会で、毎年三月十八日(パリ・コミューン記念日)におこなわれています。
五十七回目にあたる今年は新たに千二百四人が合葬され、総数は三万一千二十六人となりました。
合葬対象者は平和と社会進歩のための活動に参加し亡くなった人で労働組合、民主団体または個人(二人以上)の推薦が必要です。
くわしくは日本国民救援会(電話03・5842・5842、FAX同5840東京都文京区湯島2の4の4平和と労働センター5階)へ。(喜)
〔2004・4・15(木)〕