2004年4月14日(水)「しんぶん赤旗」
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失業率は小泉内閣発足から急速に悪化の度を強めました。それは総務省の完全失業率でも明白です。
完全失業率は小泉内閣発足(二〇〇一年四月)三カ月後の七月には5%の大台にのりました。同統計が始まった一九五三年以後の半世紀でこんな高失業率は初めてです。以来昨年十二月に4・9%に一度低下しただけで、完全失業率は5%の大台にのったままです。
ただこれもかなり控えめな数字です。内閣府が発表した試算(〇一年九月)でも、仕事がなく就職をあきらめた人を含めると、失業率は10%を超します。
小泉首相は就任早々、「構造改革を進めるうえで当然、痛みを伴う事態が生じる。分かりやすくいえば、職を失う人が出てくる」(〇一年五月十四日、衆院予算委)と言い切りました。それが分かっているなら、失業者が出ないよう対策をとるのが政治です。しかし同内閣のやったことは、減税策なども使った大企業のリストラ・人減らしの促進です。
リストラ・人減らしなど、小泉「構造改革」が労働者の賃金にも深刻な打撃を与えています。
厚生労働省の毎月勤労統計調査(従業員五人以上の事業所調査)によると、基本給に家族手当などを加えた所定内給与、早出・残業・休日出勤などの所定外給与、一時金などの特別に支払われた給与、これらをすべて合わせた現金給与総額と、調査項目のすべてで前年より低下(悪化)しました。これは小泉内閣発足の二〇〇一年からです。従業員五人以上の事業所調査を始めた一九九〇年以来こんなことはありませんでした。
政府・財界は物価が下落していることを理由に賃金抑制を「合理化」したり、社会保障給付を削減しています。しかし、二〇〇〇年を一〇〇とした賃金指数をみると、物価変動分を差し引いた実質賃金でも、小泉内閣発足後年を追うごとに低下しています。これは、物価下落以上に賃金が下がっていることを示しています。