2004年4月13日(火)「しんぶん赤旗」
岐阜県・徳山ダムの本体工事が、97%の異常な落札率となり、受注企業が自民党側に約一億六千万円の献金をしていたことが、十二日の参院決算委員会で明らかになりました。日本共産党の八田ひろ子議員がゼネコン内部文書や官報などにもとづいて明らかにしたもの。
同文書は、ダム工事大手下請けの山崎建設(本社・東京)が作成したもので、入札前から受注企業を明記。本紙が報じ、長野県・浅川ダムの談合認定につながりました。徳山ダム受注先として熊谷組、大成建設、大林組を明記しています。
八田氏が国交省の入札調書を調べたところ、本体二工事を受注したのも三社を中心とした共同企業体でした。落札率(予定価格に対する契約額の割合)はそれぞれ96・3%と97・0%。三百五十九件の関連工事でも95%以上が七割を超え、99%以上も四十二件でした。
受注企業から自民党岐阜県連と愛知・岐阜両県選出の同党衆参議員十一人の資金管理団体や選挙区支部に、一九九八―二〇〇二年にかけて計一億五千六百七十六万円が献金され、民主党と自由党=当時=(のちに保守党にくらがえ)の議員計六人にも四百十五万円の献金がありました。
八田氏は「談合が濃厚。しっかり調査すべきだ」と指摘。徳山ダムが過大な水需要を見込んで計画されたことをあげ、ダム建設の中止を求めるとともに、公共事業受注企業からの献金を禁止すべきだとのべました。
石原伸晃国交相は「法令にもとづいて厳正に処理されていると聞いている」と答弁。公正取引委員会の楢崎憲安審査局長は「一般論として、独占禁止法に違反する疑いに接した場合は厳正に対処する」と答えました。