2004年4月9日(金)「しんぶん赤旗」
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卸売市場の委託手数料率自由化などを盛り込んだ卸売市場法改悪案が八日の参院農水委員会で日本共産党以外の賛成多数で可決されました。採決に先立ち、日本共産党の紙智子議員は「卸売業者の経営は委託手数料収入に依存している。自由化すれば手数料引き下げは確実であり、死活問題だ」と政府を追及しました。
生産者が卸売市場に出荷する際、業者に支払う委託手数料は、農水省が全国一律で定めています。改悪案は「規制緩和」の一環として、市場開設者(地方自治体)が設定できるようにするものです。
紙氏は、専門紙のアンケートでも40・5%の卸会社が反対し、現場の関係者も「自由化先にありきだ」と指摘していることを紹介。「法改正で市場の『体質強化』をというが、強化されるのは一部の大手卸売業者だけだ」と批判しました。
「赤字で業務改善命令を受けた卸売業者が増えており、競争を迫られればいっそう弱体化する」と強調。部門ごとに一社しか卸売業者がいない市場では、その業者が倒産すれば市場そのものが存在できなくなり、小売店や消費者に被害が及ぶと指摘しました。
亀井善之農水相は「手数料の『弾力化』で市場の活性化につなげる」と答弁。
農水省の須賀田菊仁生産局長は「懸念する声はいまなおある」と認めながら、「生き抜く努力をしてほしい」とのべました。