日本共産党

2004年4月7日(水)「しんぶん赤旗」

「日の丸」「君が代」強制

教員20人を第2次処分

東京都教育委 小中、養護学校に拡大


 東京都教育委員会は六日、卒業式での「君が代」で起立しなかったことなどを理由に、都内の公立小・中学校と都立ろう・養護学校十五校の教員二十人を減給、戒告とする第二次の不当処分を発表しました。

 三月三十一日に発表された第一次処分百七十六人に続く処分で、ことしの卒業式の「日の丸・君が代」強制にかかわる処分者は合計百九十六人になりました。処分の対象は第一次の都立学校から、区市町村教育委員会が管理する公立小・中学校にまで拡大しました。

 処分理由は、都が発した、学校行事での「日の丸・君が代」の取り扱いの「実施指針」(昨年十月)に基づく「職務命令」に反したというもの。「君が代」斉唱時の不起立が十八人、ピアノ伴奏拒否が一人、指揮を拒否した教員が一人となっています。

 起立を拒否して二度目の「職務命令違反」となった都立養護学校の教員一人が減給十分の一(一カ月)。戒告は小学校教員が七人、中学校教員が三人、都立ろう・養護学校教員が九人です。


都教委の処分に抗議相次ぐ

 都教委の不当処分に対し厳しい批判があがっています。

都教組

 東京都教職員組合は六日、田倉孝衛書記長が抗議談話を発表しました。

 談話は、今回の処分は「乱暴に教育内容に介入するもので断じて認められない」と強く抗議。「小学校入学の五、六歳の子どもたちにも都教委は『君が代』の起立斉唱を声高に強いるもの」と強く批判し、「子どもの内心の自由をふみにじることをゆるさない」ため、父母、都民と共同して教育を守るため「全力で奮闘する」としています。

都障教組

 東京都障害児学校教職員組合の白瀬美弘委員長は六日、抗議の談話を発表しました。

 談話は、都立盲・ろう・養護学校の卒業式で子どもを介助している教員が「君が代」斉唱で姿勢を正すように命じられるなど、「子ども不在の常軌を逸した事態が起きている」と批判。「不当処分の撤回」と、「入学式への不当な介入・監視等を断じて行わないよう強く要求」しています。

母親大会連絡会

 日本母親大会連絡会と東京母親大会連絡会は六日、東京都教育委員会の「日の丸・君が代」押し付けに反対し、教員への処分撤回を求めて横山洋吉都教育長に対し連名で抗議文を送りました。

 抗議文は、都教委のやり方は、「かつて戦争に前向きではない人を『非国民』と罵(ののし)り、時には投獄・拷問までした恐ろしい時代につながる道」と強く批判。処分の撤回と、「日の丸・君が代」の強制や学校の監視・事情聴取をやめること、学校行事での「日の丸・君が代」の実施方法などを定めた都の「通達」「実施指針」の再検討を求めています。


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