2004年4月7日(水)「しんぶん赤旗」
児童虐待防止法改正案が六日の参院厚生労働委員会で、全会一致で可決されました。三年前に議員立法で成立した児童虐待防止法の見直し案で、衆院特別委で超党派により改正案として出されたものです。
改正案は、児童虐待が著しい人権侵害であると明記。DV(配偶者からの暴力)や同居人による虐待も定義に加えて、「予防・および早期発見、児童の保護と自立支援」、「保護者への支援」など国や自治体の責務をより詳しく定めています。
西山とき子議員は、改正案は参院共生社会調査会の「児童虐待防止決議」の方向に沿ったものとのべた上で質問。京都市の児童相談所で八年間心理判定員を務めた経験も踏まえ、国・自治体の基本計画策定と各省横断的な機構の設置を提案しました。
児童福祉司、心理カウンセラーの増員、情緒障害児短期治療施設の拡充を要求。法施行後、虐待で亡くなった児童の54%は一歳以下なのに実施率は20%という新生児家庭訪問や乳児未検診家庭への訪問など行政の積極的対応、産休明け乳児保育所増設などを強調しました。提案者の一人として答弁に立った日本共産党の石井郁子衆院議員は「政府の強力な取り組みが必要」と答えました。
西山氏はさらに、父親の子育て支援について「良好な家庭環境には労働時間短縮と家族のだんらんは欠かせない」と対策を求めたのに対し、厚生労働省の伍藤忠春雇用均等・児童家庭局長は「企業も残業は一時間以内をめざすことや労働のあり方を考えることが重要」と答えました。