2004年4月6日(火)「しんぶん赤旗」
コンビニや学習塾、外食店など拡大するフランチャイズ産業について、加盟店の立場から研究交流しようと、「第一回フランチャイズ産業研究交流集会」が四、五の両日、静岡県熱海市で開催されました。
全国FC(フランチャイズチェーン)加盟店協会、全国商工団体連合会(全商連)、学者・研究者が一昨年に設立した「フランチャイズチェーン研究センター」が主催。全国各地の加盟店主や相談を受けてきた民商役員、研究者ら約四十人が参加しました。
小林政廣FC加盟店協会長が開会あいさつで、「フランチャイズ産業は大きく拡大したが、本部と加盟店とのトラブルやシステム運営上の不公正な取引、法・行政上の不備など問題がさまざまある」として、「展望あるフランチャイズ産業づくりのための交流」を呼びかけました。
鹿児島国際大の山本晃正教授が、フランチャイズ契約でおこっている「欺まん的勧誘」や独占禁止法上の「優越的地位の乱用」など、法的問題点を報告。五日には、日本福祉大の近藤充代教授が作製した映像による「FC加盟店の権利宣言」案が紹介されました。加盟店の独立事業者としての尊重や本部との対等な関係の保障、加盟店間の相互交流の推進などが盛り込まれています。
全商連の鎌田保副会長は、中小企業の要求と夢をかなえる運動の一つとして、健全なフランチャイズ産業の発展を支援していくと述べました。
フランチャイズチェーン「カギの救急車」に加盟する下岡徹さん(広島県)は、「本部との契約自体に法律上の不公正取引があるなど初めて理解できた。これで本部にも仲間にも自分たちの要求の出し方が分かった」と語っていました。
契約にもとづき、本部と加盟店が統一的な商標と商品、サービスを消費者に提供する経営形態を「フランチャイズシステム」と呼びます。近年はコンビニなど小売業だけでなく、外食産業や清掃や学習塾、保育などサービス業にまで拡大。二〇〇二年度の本部数は千六十五社、加盟店舗数二十一万七千店、年間売上高は十七兆五千億円にのぼるとされます。