2004年4月5日(月)「しんぶん赤旗」
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政治資金規正法違反容疑で東京地検特捜部の捜査をうけた日本歯科医師連盟(日歯連、臼田貞夫会長)が「お車代」などの政治資金収支報告書の支出に実際の支払い先を記載せず、二〇〇〇―〇二年で計四百三十万円が誰に渡ったかわからなくなっていることが本紙調べでわかりました。
日歯連は総務省に提出した政治資金収支報告書で、支出先の相手を記載する欄に「取扱者」と書いて日歯連会計責任者らの名前を記載していました。
この形式の費目は一回五万円から二十万円の「お車代」が最多。「会費」「お祝い金」「ご霊前」「寸志」などの交際費が目立ちます。また、「コンサルタント料」「調査研究費」「マスコミ対策費」もありました。支出先不明は〇〇年十九件、〇一年九件、〇二年十一件あります。
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本紙が情報公開請求で入手した日歯連の〇二年分の領収書にも実際の受け取り者ではなく、「取扱者」として内田裕丈・日歯連会計責任者らの名前があるだけでした。
これは領収書とはいえず、日歯連は「社会通念上、領収書をもらえなかった」と同省に説明しています。
日歯連は「お車代」などをだれかに渡しながら、相手先を事実上隠していることになります。
政治資金規正法は五万円以上の支出について、「支出を受けた者の氏名及び住所」を収支報告書に記載しなければならないと規定しており、「取扱者」のみの記載は同法違反の疑いがあります。違反には罰則(五年以下の禁固または百万円以下の罰金)もあります。
総務省政治資金課は「政治資金規正法上、収支報告書の支出の相手方は、当然記載すべきもの」だと話しています。