2004年4月4日(日)「しんぶん赤旗」
国際人権活動日本委員会の吉田好一代表委員は二日、ジュネーブで開催中の第六十会期国連人権委員会の第十一議題(「市民的政治的権利」)についての審理で発言。警視庁公安部による「国家公務員法違反」を口実とした堀越明男氏の逮捕・起訴は「市民的および政治的権利に関する国際規約」(国際人権B規約)違反の行為だとし、国連人権委員会として日本の警察、検察に抗議するとともに、裁判所に公訴棄却を働きかけるよう求めました。
吉田氏は、「この事件は日本国憲法が保障する、思想および良心の自由、言論、表現の自由、政治活動の自由などを踏みにじる、乱暴な弾圧」だと非難。日本政府は自らが批准したB規約を順守する義務があり、「今回の逮捕、起訴は国際法に照らしても明らかな違反行為」だと強調しました。
また同氏は、「国家公務員法」が一九四八年に米占領軍総司令部によって押しつけられた憲法違反の法律であることを指摘。「今回の事件は、日曜・休日に自宅の近くでビラ配布したもので、市民としての当然の権利を行使したもの」「四カ月もたってから大げさな捜索を行い逮捕するのは明らかに政治的な意図を持った弾圧」だと強調しました。さらに同氏は「この攻撃は治安維持法のもとで、国民からあらゆる自由を奪って戦争に突入し敗北した暗黒時代に引き戻そうとするもの」だと訴えました。
国際人権活動日本委員会は結成以来十一年間、日本の職場で人権を守るために国連人権委員会や国際労働機関(ILO)に訴える活動を続けており、今年二月、国連社会経済理事会から特別協議資格を付与されました。
国際人権B規約 一九四八年に国連第三回総会で採択された国際人権宣言が法的拘束力を持たなかったことから、その実施を義務付けるために六六年、国連総会で国際人権規約が採択されました。「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(A規約)とこの「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(B規約)からなります。B規約には、人権侵害を受けた個人による国連人権委員会への救済申し立てを認めた「選択議定書」が付されています。 |