2004年4月1日(木)「しんぶん赤旗」
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四月実施の国立大学法人化に伴い設置される経営協議会に、元事務次官や高等教育局長経験者など大量の文部官僚(当時)が“天下り”していることが分かりました。日本共産党の石井郁子副委員長が三月三十一日の衆院文科委員会で独自調査に基づいて明らかにしたもの。
国立大学法人には理事や監事、経営協議会が置かれ大学運営に重要な役割を担います。石井氏が調査した経営協議会では判明しただけでも文部省関係者が二十三大学に“天下り”していました。
国立大学法人化法を推進した文部官僚出身の遠山敦子前文科相は東北大、高等教育局長や審議官を歴任し法人化法に関与した工藤智規氏は東京工業大、前事務次官の小野元之氏が岡山大でそれぞれ経営協議会の学外委員に内定していました。
また文科省は、三月十九日時点の数字として三十五大学の理事百八十五人のうち二十六人、監事百七十八人のうち一人が文部省関係者であることを明らかにしました。
石井氏は「文科省の監視役、太いパイプ役を置くようなもので、文科省主導の大学づくりをしようとしているのではないか。官と学の一体化、癒着の構造だ」と批判。大学の自主性・自律性を阻害しないよう「節度を持って対応する」とした参院での付帯決議にも反するとしてこうした任用をやめるよう求めました。
河村建夫文科相は「大学側の判断を尊重する」とのべ、まともに答えられませんでした。