2004年3月31日(水)「しんぶん赤旗」
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参院内閣委員会は三十日、警察の裏金問題の集中審議を行いました。日本共産党の吉川春子議員は独自調査にもとづき、愛知県警のカラ出張による裏金づくりをパネルを示して追及。「島根県警文書で暴露されて以来警察の裏金づくりは半世紀以上にわたって続けられている」として、警察庁長官と国家公安委員長の責任がきびしく問われていると指摘しました。
吉川議員が調査した一九六九年―七六年の愛知県警総務部・総務課の裏金帳簿によると、総務課から会計課にカラ出張を請求、受け取った旅費を裏金としてプール。この中から、総務部に上納される仕組みになっていました。裏金は、餞別(せんべつ)、慶弔費、部長のヤミ手当などにあてられていました。
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吉川議員の追及にたいし、カラ出張が発覚した九六年当時愛知県警本部長だった漆間巌警察庁次長は「非常に古い資料で裏付けのしようがなかった。会計検査院も検査したが、何の指摘もなかった」などとのべました。
このため吉川議員は、愛知県警の裏金帳簿を入手しながら摘発できなかっただけでなく、戦後一度も警察の不正経理を摘発したことがない会計検査院の責任を追及。会計検査院の石野秀世第一局長は「できるだけの努力をしているが、(警察にたいし)指摘事項はない」と認めました。吉川議員が事前通告なしの検査を求めたことについては、「適切な方法を勘案して検査したい」と答弁しました。
質疑のなかで、小野清子国家公安委員長は「九六年度から餞別については廃止しているときいている」とのべました。
吉川議員は最後に裏金問題で外部監査を導入し、全国調査を要求するとともに、本人も国会での証言を望んでいる原田宏二元釧路方面本部長を証人あるいは参考人として委員会に招致するよう求めました。