2004年3月31日(水)「しんぶん赤旗」
 諫早干拓工事が原因だと、農水省を「人間の鎖」で取り囲む漁民や市民団体のメンバー＝30日、東京・霞が関の農水省前 |
ノリの大凶作など有明海異変は農水省の諫早湾干拓工事が原因だとして、工事の差し止めの仮処分決定と中長期開門調査の実施をもとめる有明海沿岸の漁民と支援団体のメンバーら五百人以上が三十日、東京・霞が関の農水省を取り囲むように「人間の輪」をつくりました。
この行動をよびかけた「よみがえれ！ 有明海訴訟」原告団・弁護団・支援する会の代表は同日午後、亀井農水相と交渉し、事業の中止と開門調査を要請。「宝の海を返せ！」の鉢巻きをつけた漁民らは二十九日から三十一日の三日間の日程で、大漁旗や「宝の海を救え」「急げ中長期開門調査」ののぼりをかかげ同省前で座り込んで窮状を訴え、「もとの有明海にもどしてほしい」「漁業被害への支援をおこなえ！」と、救済を求めました。
同訴訟原告団の松藤文豪・漁民市民ネットワーク代表＝大牟田市＝は「諫早湾干拓事業が原因で、ノリがとれなくなった。増えるのは借金だけで、いまのままでは後継者も生まれない」と、漁民を代表してマイクを握りました。
馬奈木昭雄・弁護団長は「有明海は、生き物が次々死んでいく海にかわって、漁民はいま追い詰められ、廃業の危機にひんしている。もとの豊かな有明海を取り戻すのが、農水省、水産庁の仕事ではないのか」と、強い口調で批判しました。
この日の包囲行動には、原告団・弁護団・支援する会とともに共同で包囲行動にとりくんだ東京大気汚染公害裁判の原告団・弁護団はじめ、高尾山圏央道トンネル建設反対運動などにとりくむ道路公害被害者らが多数参加。
日本共産党の高橋ちづ子衆院議員が同日午前、座り込んでいる漁民らを激励。仁比そうへい参院比例候補が、包囲行動に参加しました。
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