2004年3月27日(土)「しんぶん赤旗」
二十六日の参院予算委員会で日本共産党の井上哲士議員は、三菱ふそう(二〇〇三年に三菱自動車から分社)の欠陥ハブリコール(回収・無償修理)問題で、「三菱自動車側の言い分をうのみにして被害を防げなかった国土交通省の責任は重大だ」と追及しました。
事故の原因について、これまで三菱自動車は使用者の整備不良と主張。国交省も、「現時点ではリコールに該当しない」と判断していました(二〇〇二年五月、衆院国土交通委員会での日本共産党・瀬古由起子議員に対する答弁)。
井上氏は、一九九二年以降発生したハブ破損によるタイヤ脱落事故五十七件がすべて三菱製の車だったと指摘し、「構造上の欠陥があったと考えるのが当然。国交省は立ち入り調査の上で判断したのか」と追及。峰久幸義・国交省自動車交通局長は、立ち入り調査にもとづかない判断だったことを認めました。
井上氏は「九二年から横浜の事故までに三十八件も事故が発生していた。国交省が適切に対応していれば横浜で母子の命が奪われることはなかった」と強調。小泉純一郎首相は「反省すべきところは反省して事故防止に努める」と述べました。
井上氏は、この三菱自動車から自民党が二〇〇〇年から〇二年までの三年間に、四千四百万円もの献金を受けていることを指摘。
三菱自動車が二〇〇〇年にも三十年にわたるリコール隠しで処分されたことをあげ、「企業犯罪を犯すような企業から平気で献金を受け取れるのか」と追及しました。小泉首相は「適切に処理されていれば問題ない」と答弁。井上氏は「事故被害者がそんな答弁を聞いたらどう思うか」と批判しました。