日本共産党

2004年3月27日(土)「しんぶん赤旗」

自公政治に対決 前半国会で見えた

共産党、改革の道堂々示す


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 大きな波乱もないため「べたなぎ国会」といわれるなか、2004年度政府予算が26日、戦後4番目の早さで成立しました。イラクへの自衛隊派兵、国民の暮らしの問題で自公政治と対決し、改革の道を示したのが日本共産党でした。前半国会を振りかえると――。

論戦リード マスコミ注目 派兵

 イラク占領をめぐっては、予算案審議の期間中に大きな変化が起こりました。「有志連合」の中核・スペインで、次期首相がイラクからの撤兵を表明。軍事占領参加国で動揺がおこっています。

 国会審議で、国際的な道理にたって米英の無法な侵略戦争と占領を批判し、自衛隊派兵がそれに加担、参加するもので憲法違反の暴挙だと小泉政権を追及したのが日本共産党でした。マスコミも「共産リード役に」と注目しました。

 党国会議員団は占領支援に固執する小泉内閣に対し、自衛隊が占領軍の一員であることを次々と指摘しました。戦争状態の継続である占領に加われば、交戦権を禁止した憲法に違反するのは明白です。政府は「日本は米軍の指揮下に入らない」などと繰り返すものの、その根拠はなに一つ示せませんでした。

 イラクの大量破壊兵器保有をめぐっても、小泉純一郎首相が開戦時に保有を断定していたことを追及。首相は「もっていないとも、もっているとも断定できない」とのべながら、「見つかるかもしれない」と強弁し、国際的な孤立ぶりをあらわにしました。

占領支配加担の証拠こんなに  

 ▼ブレマー行政官の日本政府への書簡

 「自衛隊は連合国要員として、(占領軍構成員の特権を定めた)CPA命令17号に定められたように、処遇される」(昨年12月12日付)

 ▼米国防総省のホームページ

 「彼ら(自衛隊)は、オランダ軍とともに働き、英軍の司令官の指揮下におかれる」(1月12日付)

 ▼自衛隊の石川亨統幕議長の会見での発言

 「(米中央軍で)一元的にイラクの航空運行に関しては統制している。(航空自衛隊が輸送する)物資の内容あるいは行き先等の調整がそこで全部できる」(1月22日)

 ▼本紙に対するイラク占領軍司令部の回答

 「自衛隊は(イラク現地で)第7連合統合任務軍(CJTF7=イラク占領軍)の指揮下に入る」(1月25日)

 ▼占領軍機関紙「シミタール」での報道

 「日本人が連合軍に参加」(2月20日付)

 ▼在日米軍のホームページ

 「航空自衛隊は3日、連合空軍の一部として初めてイラクへの人道任務の飛行を行い、タリル空軍基地に着陸した」(3月4日付)

 ▼占領軍のホームページ

 兵力を出している国の一つに、日本を明記

対決どころか自民一体化 「2大政党」は…

 自民、民主の「二大政党対決」ともてはやされて始まった通常国会。ところが「対決」どころか、憲法改定や消費税増税など国政の根幹にかかわる問題で両党が一体化していったのが実態でした。

 民主党の菅直人代表が「国民の中で広く議論してこそ、国民主権の憲法をつくることができる」(一月二十一日、衆院本会議)と水をむければ、小泉純一郎首相も「お互い胸襟を開いて大いに議論していきたい」(同)と応じました。

 給付の削減と負担増を連続的に国民に押し付ける年金大改悪で与党側は「消費税のことを含めて財源を考えていただきたい」(自民・額賀福志郎政調会長、二十一日のNHK番組)との立場です。民主党も「財源の消費税化や広く公平に財源をいただく方法も一つだ」(内藤正光議員、十六日の参院予算委員会)との主張を展開しました。

 政府・与党にとってすんなりと予算が成立することになったことについて一般紙も、「参院民主党の今泉昭国対委員長は『与野党ともに、特に参院では問題がなければシャンシャンでいきたいという気持ちもあった』と語った」(「毎日」二十六日付)と、野党第一党の民主党の姿勢をあげています。

消費税も

 ●民主党・山本孝史参院議員 「消費税をどうするかの議論はやるべきだ」(九日、参院予算委)

 ●小泉純一郎首相 「(消費税率引き上げの)議論を封印していない。いまから大いに議論する」(九日、参院予算委)

憲法も

 ●民主党・菅直人代表 「国民の中で広く議論してこそ、国民主権の憲法をつくることができる」(一月二十一日、衆院本会議)

 ●小泉首相 「憲法について見解が対立する問題があれば、便宜的な解釈の変更でなく、正面から憲法改正を論議して解決を図るのが筋だ」(二月二十七日、参院本会議)

唯一、予算組み替え案提出 暮らし

 「小泉(首相)は…苦しんでいる人の気持ちが分からない。共産党がんばって」――。青年の深刻な就職難をとりあげた小池晃政策委員長や大門実紀史参院議員の質問に「取り上げていただいてありがとう」と反響が相次ぎました。

 フリーター増加の原因が、新規採用を減らし、安上がりの有期・派遣労働者を増やしている大企業と、これを支援する小泉「構造改革」路線にあると追及したのは日本共産党だけでした。

 年金大改悪などを盛り込んだ予算案は、小泉内閣発足後の過去三年間に実施・決定されたものと合わせると、約七兆円にものぼる国民負担増を押し付けるものです。

 日本共産党は「国民の暮らしが元気にならなければ日本経済が本当に回復に向かうことはできない」と批判。浪費削減などで生み出した六兆五千億円の財源を社会保障などに重点配分し庶民増税を中止する予算組み替え案を提出しました。

 民主党が「対案を主張したい」として予算組み替えを求めないなかで、具体的な組み替え案を出して転換を迫ったのは、日本共産党だけでした。

 自民党からは、「民主党から予算案の組み替え要求もなかった。審議の協力に感謝する」(中川秀直国対委員長)とまでいわれました。

乳幼児医療無料へ法案

 日本共産党国会議員団は23日、所得制限なしで小学校就学前までの医療費を無料化する法案を参院に提出しました。これには無所属の会と「みどりの会議」の議員2人が賛同者に加わるなど、共同を広げています。

鶏感染対策政府動かす

 政府の鳥インフルエンザ緊急総合対策(16日)には、生産者の損失にたいする補償の制度化や関連業者にたいする融資など、日本共産党がいち早くとりあげてきた住民要求が数多く盛り込まれました。再発防止のため家畜伝染病予防法改正案を提案するなど党議員団の取り組みが政府を動かした形です。


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