2004年3月25日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の八田ひろ子議員は二十四日の参院総務委員会で、NTT西日本が介護や育児などをしている労働者に対し遠隔地への配転を強制している問題をとりあげ、追及しました。
八田氏は、大阪から名古屋へ強制配転された二人の男性の事例を紹介しました。一人は、肺がんの手術をした妻を支えているさなか、配転を命じられ単身赴任。その後、妻のがんが再発し、ようやく新幹線通勤が認められたものの、往復五時間にも及ぶ通勤を強いられています。
もう一人は、痴ほう症で一人暮らしの母親を介護しながら朝五時発の新幹線で名古屋に通う毎日。どちらの労働者も配転は困難だと訴えましたが、NTTは認めませんでした。
八田氏は、一方では、介護責任を負いながら名古屋から大阪に強制配転させられようとしている男性の事例を紹介し、「大阪から名古屋への配転を元に戻せば、新たな犠牲者も生まれない」と批判しました。
また、配置転換にあたって家族的責任を負う労働者への配慮を定めた育児介護休業法や出向命令の際に意向把握や家庭の事情への配慮を定めたNTTの出向規定にも違反することを指摘。政府が株を45・94%保有する公共企業であるNTTでこんな配転は許されないとして是正を求めました。
麻生太郎総務相は「(NTTは)労働環境においても先導的な役割をになうべきで、労使でよく協議してもらいたい」とのべました。