2004年3月25日(木)「しんぶん赤旗」
与野党国対委員長は二十四日、国会内で会談し、公設秘書制度の見直しについて協議しました。
その結果、(1)議員秘書の採用時に六十五歳定年制導入、兼職の原則禁止、給与の直接支払いを法律に明記する(2)秘書の氏名、勤務地、続柄の公表を各党申し合わせで実行する(3)近親者の採用禁止は議員の配偶者のみ法律で規制する(4)議員秘書に対して、議員本人の所属する政党、政治団体(支部)への寄付の勧誘・要求を禁止する――ことになりました。
会談のなかで日本共産党の穀田恵二国対委員長は、「いま問われているのは、勤務実態のない秘書の存在や『名義借り』による秘書給与の詐取だ」と指摘。それを防ぐ実効ある措置として、秘書の氏名、勤務先、続柄の公表を法律で義務づけ、国民の監視のもとにおくことが重要だと主張しました。
焦点となっていた近親者の採用禁止について自民党は、「配偶者」だけを法律の対象にし、それ以外の親族は各党が内規などで独自に対応するよう提案。穀田氏は、「不正の温床となってきた近親者の秘書採用を禁止し、少なくとも三親等以内の親族の採用を禁止すべきだ」と強調しました。
公設秘書の寄付について自民、公明両党は当初「秘書から議員の資金管理団体または所属政党への寄付の禁止」を主張しましたが、最終的に「寄付の勧誘・要求の禁止」規定を秘書給与法に設けることで自民、民主、公明、社民各党が一致しました。
これに対し穀田氏は、「秘書であれだれであれ、各人の意思にもとづく寄付は政治参加の権利行使であり、憲法上禁止することはできない」「公設秘書に対する寄付の勧誘・要求の禁止は、自由であるべき政治活動への干渉につながるものであり、法規制すべきでない」と述べ、反対しました。
与野党国対委員長会談の結果を受けて、衆院議会制度協議会で最終確認され、議院運営委員会で立法化される見通しです。