2004年3月25日(木)「しんぶん赤旗」
日本が中国との間で領有権問題を抱える尖閣諸島(中国名・釣魚島)の魚釣島に、中国人七人が二十四日午前上陸しました。沖縄県警は同日午後、ヘリコプターで同島に警察官を派遣。入管難民法違反の疑いで、午後七時前までに七人全員を逮捕しました。尖閣諸島の領有権を主張して上陸した外国人を日本の警察当局が逮捕したのは初めて。
七人の上陸について、外務省は中国の武大偉駐日大使を呼び抗議しました。
首相官邸では同日午後、外務、海保、警察、法務の関係者が身柄の扱いについて協議。七人は海上保安庁の巡視船に収容され、その後、強制退去になるとみられます。
小泉純一郎首相は同日夜、中国人逮捕について「法令に従ってきちんと対応した結果だ。異例のことだが、法律に従って対処するのは法治国家として当然だ」との認識を示しました。その上で日中関係への影響に関しては「冷静に対応する必要がある」と述べました。
【北京=田端誠史】中国外務省の孔泉報道官は二十四日、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の魚釣島に上陸した七人の中国人に関して、日本が「冷静に対処し、安全を確保し、危害を加えないよう要求する」との談話を発表しました。
同報道官はまた、日中両国が領有権を主張している同諸島について「中国政府は交渉を通じた解決を主張している」と述べました。