日本共産党

2004年3月24日(水)「しんぶん赤旗」

男女賃金格差の是正を

年金財源で井上議員


 井上美代議員は十八日の参院厚生労働委員会で、政府の年金改悪案をとりあげ、女性の雇用拡大や男女賃金格差の是正に取り組めば年金財政の支え手を増やし、保険料増などは必要ないと追及しました。

 日本の女性の年齢別労働力率(人口に対する就業者の割合)は、出産・子育てによる退職で三十歳代が低くなる「M字型」になっているのが特徴です。

 厚生労働省の吉武民樹年金局長は、一九九九年の年金財政再計算の数字をもとに、二〇一〇年に「M字型」が解消され、男女賃金格差が是正された場合、「最終保険料が2%低くなる」との試算結果を初めて公表しました。

 井上氏は今回の政府案がどのような女性の雇用・賃金の状況を前提としているのかを質問。吉武局長は、二〇二五年まで全体として上昇するが、三十歳代は相対的に低いままで、同年以降はその状態で固定化するとの見通しを示し、賃金については男性の61・4%という二〇〇一年度末の数字を前提としていることを明らかにしました。

 井上氏は「いわゆる『M字型』雇用は欧米では一九八〇年代、九〇年代に克服された。賃金差別についても未来永劫(えいごう)続くとする前提は問題だ」と指摘。坂口力厚労相は「『M字型』を克服すれば年金制度の支え手も増える」とのべました。


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