2004年3月23日(火)「しんぶん赤旗」
日本共産党の大沢たつみ参院議員は二十二日の予算委員会で、川崎重工神戸工場の不当労働行為事件で、川重が兵庫県地方労働委員会による救済命令を受け入れながら、誠実に履行せず、労働者との話し合いにも応じていない問題をとりあげました。
大沢氏は、地労委命令をないがしろにする姿勢は許されないと追及。坂口力厚生労働相は「地労委が長い年月をかけて結論を出したのだから、それに従って労使で話し合っていただきたい」と答えました。
同事件は、川重が労働組合運動を抑えるために特定の労働者に昇給・昇格差別をしてきたのに対し、労働者十六人が一九九四年六月、地労委に差別是正を申し立てたもの。
地労委は昨年十二月、不当労働行為を認定し、昇給・昇格の是正を命じ、川重はこれを受け入れました。
大沢氏は、川重が謝罪も話し合いもせず、ある労働者には賃金差別の差額の一カ月分としてわずか三十円を振りこんで幕引きをはかろうとしている実態を告発。「表向きだけ従って本当のところは抵抗している。面従腹背だ」と批判しました。
厚労省の青木豊政策統括官は「確定した命令を実行しない場合は、十万円以下の過料に処せられる」とのべました。
大沢氏は、川重が命令を受け入れながら「地労委の判断はずさんきわまりない」「到底受け入れ難いがあえて従う」とのべていることをあげ、「地労委の役割を否定する言動だ」と批判しました。