2004年3月23日(火)「しんぶん赤旗」
「ZC(ゼロ・コミュニスト=共産党員撲滅)計画管理名簿」という極秘のリストを作成し、社内で日本共産党員やその支持者とみなした労働者を徹底して差別してきた総合重機大手、石川島播磨重工業(本社・東京、伊藤源嗣社長)は二十二日、差別是正を求めて二〇〇〇年三月に提訴した「人権回復を求める石播原告団」(渡辺鋼団長、八人)と東京地裁で和解。約四十年続けてきた思想差別をやめると謝罪し、再発防止策を確約しました。九九年十二月の関西電力争議に続いて、「職場に憲法の風を吹かす」たたかいの画期的な勝利となりました。
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「ZC名簿」は、同社人事部が警察・公安と日常的に対象者の情報を交換して作成したもの。労働者の正当な活動を企業批判者と敵視し、労働者をA、B、C、Dにランク分けし、備考欄に「妻 党員 市議」といった思想・信条にかかわるものから、「腎炎」と病名まで記入していました。
石播は「ZC名簿」が存在したことを認め、今後、この種の文書を存在させないことや、差別的な人事管理をしないと確約。そのために、思想差別や性差別、不当労働行為がないようコンプライアンス(法やルールに従う)・ガイドを全従業員に配り、徹底するといいます。
また八五年にさかのぼり、原告が昇給したものとして、差額賃金一億七千万円(推定)などを支払うとしています。
和解調印後の勝利報告集会は百人を超える支援者でいっぱい。原告がマイクを持ち、喜びを語るたびに「よかったなあ」「よし」と声援が飛び、大きな拍手がわきあがりました。
原告の小野益弘さん(58)は「石播に勤めて三十六年。やっと労働法が適用された。労働者が雇用と生活を守りたいと本音でいいあえる職場にするためにがんばりたい」と胸を張って語りました。
「ZC名簿」を国会で追及した日本共産党の井上美代参院議員がかけつけ、あいさつしました。