2004年3月17日(水)「しんぶん赤旗」
インターネット接続サービス「ヤフーBB」の顧客データ流出をめぐる恐喝未遂事件で、東京地検は十六日夜、恐喝未遂罪で元右翼活動家森洋容疑者(67)を起訴しましたが、同事件で逮捕されていた会社社長竹岡誠治容疑者(55)については、従属的な立場だったとして処分保留としました。
起訴状によると、森容疑者は湯浅輝昭被告(62)らと共謀。一月二十一日、東京都中央区のヤフーBB運営会社「ソフトバンクBB」会議室で、親会社のソフトバンク法務部長らに「台湾の格付け会社に中国人グループが顧客データを持ち込んだ」と言い、百三十人分の顧客情報リストを提示しました。そのうえで森容疑者は「流出を止めるには月数百万円」「コンピューターに侵入されないようにするには十億、二十億という金が必要だ」と脅しました。
森容疑者は、会社役員を通じて湯浅被告と知り合い、約四百六十万人分のデータは森容疑者が入手し、湯浅被告に渡りました。同事件では、別ルートで情報を入手した木全泰之被告(31)が逮捕、起訴されています。東京地検などは、情報流出の経緯などの解明を進めるとみられます。
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竹岡容疑者は、一九七〇年に発覚した日本共産党の宮本顕治委員長(当時)宅盗聴事件の実行犯。事件後、創価学会本部青年部副男子部長に抜てきされました。九八年時点でも、創価学会名誉会長池田大作氏の親衛隊とされ、学会最高幹部が名を連ねる「伸一会」二期のメンバーの第三位に序列される幹部でした。
二〇〇〇年二月に循環社会研究所を設立。「ヤフーBB」の代理店「エスエスティー」の社長で、同事件で起訴された湯浅輝昭被告は同社副社長でした。竹岡容疑者は自民、公明両党議員などで設立した循環型社会推進議員連盟とも関係をもっています。