2004年3月17日(水)「しんぶん赤旗」
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国家公務員の“ぐるみ選挙”を野放しにしながら、休日に一市民として行ったビラ配布を弾圧するなど許されない――。日本共産党の宮本岳志議員は十六日の参院総務委員会で、「国家公務員法違反」の名による堀越明男さんの不当逮捕・起訴事件に関連し、郵政の“ぐるみ選挙”こそ取り締まるよう求めました。
宮本氏は、昨年十二月に麻生太郎総務相が、立候補を予定している総務省OBの資金集めパーティーで「総務省あげて当選させるべく全力をあげてがんばりたい」とあいさつしたことについて「明りょうな地位利用であり、職権乱用だ」と追及。麻生氏は「少々発言として穏当を欠いている」と問題を認めました。
近畿郵政局長ら十六人が逮捕され、自民党の高祖憲治参院議員が辞職に追い込まれた“郵政ぐるみ選挙”(二〇〇一年参院選)で、当時の片山虎之助総務相は「服務規律の保持と公私の峻別(しゅんべつ)を図る」との談話を発表しました。
宮本氏は、「同事件で国家公務員法一〇二条(政治的行為の制限)違反に問われたものが一人でもいるのか」と追及。清水英雄郵政行政局長は「ない」と答えました。
宮本氏は「国公法一〇二条で問えないのは、公務員の政治活動を広く禁止するという意味で、そもそも憲法違反の法律だからだ」と指摘。「高祖事件のようなものでさえ、適用できなかった国公法一〇二条を、勤務時間外に勤務地とはまったく別の場所で一市民としてビラを配ったという事例に適用するなどということは、まったく許されない」と批判しました。