2004年3月14日(日)「しんぶん赤旗」
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経済産業省が所管する独立行政法人、産業技術総合研究所(産総研)職員の身分を、これまでの公務員から非公務員化する法案が国会に提出されています。これに反対するシンポジウムが十三日、産総研労働組合と全経済産業労働組合、日本国家公務員労働組合連合会が主催して東京都内で開かれ、研究機関の労働組合など十六組織から約九十人が参加しました。
飯塚徹・国公労連独法対策部長が基調報告。独立行政法人化に続く、職員の非公務員化は、研究の変質と公共性の後退をいっそう進めるものだと指摘。現在とりくんでいる署名運動を、さらに活発化するとともに、国会議員への働きかけを強めていこうと呼びかけました。
研究機関や大学の労働組合の代表が、それぞれの職場で起こっていることを報告しました。産総研労働組合の代表は、非公務員化について当局が職員の質問に明確に答えないでいる中で、組合がとりくんだ署名を職員の過半数が支持したとのべました。また都立大学・短期大学教職員組合の代表は、都立四大学統廃合の動きの背景には、大学を産業のための研究開発をする機関にしようとするねらいがあると告発しました。
参加者の一人で野外調査を主な仕事としている部門の研究者からは、独立行政法人化以後、国の仕事をしているといってもなかなか信用してもらえず支障が出ており、このうえ非公務員化されたら、さらに仕事がやりにくくなるのではなどの懸念が表明されました。
明石博行・駒沢大学教授が、「新保守改革下の科学技術政策と国立試験研究機関」と題して記念講演。緒方靖夫・日本共産党参院議員と広野允士・民主党参院議員からメッセージが寄せられました。