2004年3月13日(土)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の宮本岳志議員は十二日の参院本会議で、地方への補助金、地方交付税、税源移譲を見直す「三位一体改革」関連の地方財政三法案(注)について質問にたちました。
宮本氏は、補助金と地方交付税、臨時財政対策債あわせて四兆円も減らす一方で、税源移譲は四千五百億円にすぎないと指摘。補助金削減は各省庁別に割り当てるやり方であり、「三位一体論には何の理念もなく、削減できれば中身は何でもいいということを示している」と批判しました。
削減する公立保育所運営費や義務教育費国庫補助負担金(退職・児童手当分)は、所得譲与税などに切り替えるものの、「人口配分のため多くの市町村で減額となる」とのべ、国の責任放棄につながると強調しました。
さらに、生活道路や学校、病院など生活関連の公共事業補助金まで削減され、小学校の建設計画を見直さざるを得ない自治体もあることを紹介。その一方で関西空港二期事業などムダな大型公共事業は続けていることをあげて、「増やすべきものは削り、削るべきものは手を付けない。本末転倒だ」と強調しました。
地方税法改悪による老年者控除の廃止など個人住民税の増税、均等割引き上げは高齢者や低所得者を狙い撃ちするもので、「消費をさらに冷え込ませ、経済に打撃を与える」とのべました。
麻生太郎総務相は、補助金削減で「多様な保育行政ができる」、交付税削減も「財政健全化のため」と合理化。谷垣禎一財務相は、生活関連の公共事業も「スリム化をはかる」とのべました。
地方財政三法案 地方交付税を削減する同法改定案、地方に所得税収の一部を移譲する所得譲与税法案、個人住民税の負担増をまねく老年者控除の廃止や均等割引き上げなどを盛り込んだ地方税法等改定案。