2004年3月9日(火)「しんぶん赤旗」
日銀が八日発表した二月の貸出・資金吸収動向(速報)によると、銀行の貸出平均残高は前年同月比5・0%減の三百九十五兆一千五百九十六億円でした。七十四カ月連続の減少です。貸出残高は、統計を取り始めた一九九一年七月以来最低です。
統計開始時の貸出残高は五百兆円余で、九〇年代半ばには五百三十兆円を超した月もありました。五百兆円を割ったのは九九年四月で、四百五十兆円を割ったのは小泉内閣の発足(二〇〇一年四月)直後の〇一年五月でした。四百兆円の大台を割り込んだのは〇三年八月です。それ以降七カ月連続して四百兆円を下回っています。
小泉内閣になってからの落ち込みは激しく、二月の貸出残高を〇一年と〇四年で比較すると約六十三兆円減っています。小泉内閣が最優先した不良債権最終処理の加速策が銀行の貸し渋り・貸しはがしを横行させ、小泉不況による資金需要の後退と重なって貸出残高を大幅に減らしてきた経過が浮かび上がります。
なかでも大手銀行の減少幅が大きく、二月を業態別でみると、都市銀行など大手銀行が同8・0%減の二百二十一兆六千六百二十三億円と九十カ月連続で前年割れ。地方銀行は同0・2%増の百三十二兆九百四十七億円、第二地方銀行は同4・0%減の四十一兆四千二十六億円でした。