2004年3月8日(月)「しんぶん赤旗」
公職選挙法や政治資金規正法を所管する自治相を務め、民主党両院議員総会長だった前衆院議員・佐藤観樹容疑者の今回の事件は、国会議員による秘書給与詐取・流用事件があいついでいる時期と重なるだけに、悪質というしかありません。
佐藤容疑者の「名義借り」疑惑の期間は、自民党・中島洋次郎衆院議員(当時、故人)が逮捕された一年八カ月後の二〇〇〇年七月から始まり、〇三年四月までの約三年です。(年表参照)
二〇〇〇年九月、民主党の山本譲司衆院議員(当時)が、秘書給与約二千五百五十万円をピンはねしたとして東京地検に逮捕された際、佐藤容疑者は「開いた口がふさがらない。同じ不祥事を起こさない体制づくりを急ぐべきだ」と語っていました。
山本被告に、懲役一年六カ月の実刑判決(〇一年二月)が出ても、社民党の辻元清美衆院議員(当時)の流用疑惑が発覚(〇二年三月)しても、流用を続ける―。佐藤容疑者の責任は重大です。同時に容疑者を要職にすえてきた民主党の政党としての自浄能力も改めて問われています。藤沢忠明記者
1998年10月 中島洋次郎衆院議員(自民)、政党助成法違反容疑などで逮捕。政策秘書給与詐取も発覚 2000年 7月 佐藤観樹衆院議員(民主)、公設第二秘書の名義借り開始 9月 山本譲司衆院議員(民主)、政策秘書給与詐取容疑で逮捕 02年 3月 辻元清美衆院議員(社民)、政策秘書給与の流用疑惑発覚 4月 田中真紀子衆院議員(自民)、秘書給与流用疑惑発覚 03年 3月 坂井隆憲衆院議員(自民)、政治資金規正法違反で逮捕。秘書給与詐取も発覚 4月 佐藤議員の公設第二秘書の名義借り中止 7月 辻元議員逮捕 04年 3月 佐藤議員に秘書給与詐取疑惑が発覚 《注》政党はいずれも当時