2004年3月8日(月)「しんぶん赤旗」
環境省が二〇〇五年に導入を目指す温暖化対策税(環境税)を考えようと、ドイツの環境経済研究者を招いた集いが七日、東京・千代田区の日本教育会館で開かれました。主催したのは、東京都内の環境NGO「環境・持続社会」研究センター。
集いでは、埼玉大学客員研究員として来日しているブランデンブルク州立コトブス工科大学のカイ・ロメル博士が報告。
同博士は、九九年に制定したドイツの環境税(石油、天然ガスなど化石燃料使用に課税)などの制度改革で、省エネ・技術革新と雇用増が促進されたことを説明。「ガソリン消費が二〇〇一年前半に12%下がった」ことや「二〇〇三年に雇用が十四万人増え、二酸化炭素が千七百万トン排出削減できた」というシミュレーション結果を紹介しました。
日本政府の地球温暖化対策推進大綱の対策では、二〇一二年までの二酸化炭素削減目標(四千五百三十万トン削減)の達成に二千百万トンが不足するという見通しです。ところが、日本経団連はじめ経済界は、環境税導入に反対を表明しています。
約七十人が参加した集いでは、参加者からドイツの実例にたいして「不況下での環境税の経済影響をどう考えるのか」「低所得者への影響はどうか」「税収はどう使われたのか」などの質問が相次ぎ、活発に討論しました。