2004年3月5日(金)「しんぶん赤旗」
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「政府は『規制緩和』の責任を取れ」。千台近いタクシーが東京・霞が関の国土交通省前に停車し、窓を開けて要請書を手渡しました。タクシーやハイヤー労働者でつくる自交総連は四日、安全を脅かす「規制緩和」策をただちにやめろと座り込みや要請、駅頭宣伝を実施。「車を減らせ! 食える賃金を」「(運転手の)自殺者をなくせ!」と書いたプラカードや横断幕を掲げ、千人が同省前を埋めました。
東京・大田区のタクシー労働者、石川博之さん(35)は「いくら車を走らせても売り上げが増えない。日曜日なんか水揚げが四万円を切るときもある。『規制緩和』でこれ以上過当競争になれば、本当に命の危険すら感じる」。川崎市の山田茂さん(51)は「二十四時間乗務もあり、体はくたくた。運転手が過剰なので会社は本当に横暴です。今日は体を休めたかったのですが、行動しないと大変と要請に参加しました」と語っていました。
領家光徳委員長は、台数規制を緩和した二年前の新道路運送法の施行でタクシーが全国で一万台も増え、競争が激化したうえ、賃金は生活保護水準以下となり、長時間乗務で交通事故も多発していると批判しました。全労連の坂内三夫事務局長があいさつしました。
参加者は同省に対し、タクシードライバーの国家資格を必要とする法律をつくることやタクシーの安全と過労防止についての実態調査を行い、改善措置をとることを求めて、要請しました。