2004年3月5日(金)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の高橋ちづ子議員は四日の衆院予算委員会で、鳥インフルエンザ感染拡大をくい止めるため、家畜伝染病予防法(家伝法)を改正し、搬出制限を余儀なくされた業者への損失補償の制度化や家畜所有者の通報の義務化を求めました。
亀井善之農水相は「当該地域の関係業者が大きな損失をこうむらないよう、補償を制度化する面で検討したい」と答弁。農水省の中川坦消費・安全局長は、同日付で各都道府県に対し、家伝法にもとづく養鶏業者の報告を義務付けるよう通知したとのべました。
高橋氏は、京都府丹波町の事例の最大の問題は「封じ込めに失敗したこと」で、同府で二例目の発生も「初動の防疫措置が決定的に遅れたものだ」と指摘。農水省が昨年九月に作成した「防疫マニュアル」も行政指導にとどめ、通報義務を業者に課さないなど、「BSEの教訓でもある、最悪の事態を想定するという危機管理の考え方が甘かったのではないか」と迫りました。
亀井農水相は「都道府県への徹底のほか、『マニュアル』の補足も周知させてしっかり対応したい」とのべ、「マニュアル」を改訂する考えを明らかにしました。
高橋氏はまた、「自治体が独自にとりくむ補償に財政措置を講じるべきだ」と追及。麻生太郎総務相は「財政運営に支障が生じないように対応したい」と答えました。
高橋議員は同日夕の農水委員会でも、鳥インフルエンザ感染拡大は「観光産業や加工業者をふくめ地域経済に与える影響は大きい」と強調。経済産業省の福下雄二審議官は、鶏肉卸小売業者や飲食店など関連中小業者への対策として、特別相談窓口の設置と運転資金の特例貸し付けを決めたことを明らかにしました。