2004年2月29日(日)「しんぶん赤旗」
【ベルリン=片岡正明】ドイツのシュレーダー政権が進める社会保障削減に対し二十六日、年金生活者約一万人がハノーバーでデモ、集会を実施しました。
ドイツ社会連盟が呼びかけたもので、「年金から(削減の)手を引け」「わたしたちのいうことに耳を傾けよ」などのプラカードを持ち市内を行進しました。
同連盟のアドルフ・バウアー会長は「普通の市民がますます重い負担を背負わされ、金持ちはさらによくなるような政策は断固として抗議する」と訴えました。
ドイツの年金生活者は、シュレーダー政権の社会保障削減政策「アジェンダ二〇一〇」により、今年の年金額が凍結されました。一方で、これまでは支払わなくてよかった年金生活者本人の介護保険料の支払い導入や、健保改悪による医療の一部窓口支払い導入などで負担が増大しています。
集会では「病人、障害者、年金生活者が犠牲者だ。社会安全ネットへの激しい切り込みは社会保障問題の解決にならない」など政府へ抗議する訴えが続きました。
シュレーダー首相は一九八三―九三年、社会民主党ハノーバー地区委員長を務め、九〇―九八年には同市を州都とするニーダーザクセン州の州首相。連邦議会議員としての選挙区も同州です。