2004年2月28日(土)「しんぶん赤旗」
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京都府丹波町の養鶏場でニワトリ約二万八千羽が死んだことがわかり、二十七日、府が検査したところ、死んだ三羽と生きている二羽から毒性の強い鳥インフルエンザの陽性反応が出ました。京都府、兵庫県などは防疫対策本部を設置、周辺地域のニワトリと卵の移動自粛要請などの措置を取りました。国内では山口県と大分県で鳥インフルエンザ感染が発生しており、京都の事例が正式に確認されれば三例目。
ニワトリが死んでいたのは、浅田農産(本社兵庫県姫路市、浅田秀明社長)の船井農場(丹波町安井)。二十六日夕、同農場で二十日ごろから毎日千羽ほどのニワトリが死んでいるという匿名の通報が京都府園部保健所などにあり、府の立ち入り検査で発覚しました。二十六日までに一万八千羽、二十七日だけで一万羽が死んだといいます。
農場はこの間、鶏肉、卵、ニワトリのふんを使った堆肥(たいひ)を出荷しつづけていました。
府は、疑い例発生の対応マニュアルに従い、同農場から半径三十キロ以内にあるニワトリと卵、ふんなどの移動自粛を業者などに要請。同農場に対し、出荷済みの鶏肉などを回収するよう求めました。同農場を監視下に置き、従業員や家族らの健康調査も実施。兵庫、福井など周辺の府県でも同様の措置をとりました。
同農場は十九万羽余のニワトリを飼育し、卵やニワトリのふんを使った堆肥を出荷しています。大分県での発生を受け、府が十九日に行った聞き取り調査では、代表者が「異常なし」と答えたといいます。
民間の信用調査会社によると、浅田農産は兵庫県内で一位、全国で二十四位の大手養鶏業者。一日に十六万個の卵を出荷します。
京都府丹波町での鳥インフルエンザ発生を受けて、日本共産党京都府委員会は二十七日、党府高病原性鳥インフルエンザ対策本部(本部長=西山とき子参院議員)を設置しました。
同本部は、現地調査をはじめ、国や行政機関に必要な施策を要望することにしています。二十八日には、西山本部長、紙智子参院議員が現地調査を行う予定です。