2004年2月27日(金)「しんぶん赤旗」
成果主義賃金導入に伴う一方的な賃下げや降格は無効、従来の格付けにもとづく地位に戻し、賃金、一時金の差額の支払いを命じる判決が二十六日、横浜地裁川崎支部でありました。
判決は、労働者にとって重要な権利や労働条件に不利益を及ぼす就業規則の作成や変更は、必要性にもとづく合理的なものでなければならないと指摘。そのうえで、成果主義賃金の原資は一部の従業員の犠牲によるものであり、賃金が下がる人には一定の軽減・緩和措置が必要であること、二年間の調整手当では減少額を回復することは困難で代償措置としては不十分で就業規則の変更は無効と断じました。さらに、地位と賃金は一体不可分として降格を無効としました。
訴えていたのは川崎市の測定器メーカー、ノイズ研究所で働く比嘉かよ子さん、鈴木章生さん、大隈俊郎さんの三氏。JMIU(全日本金属情報機器労組)ノイズ研究所分会の組合員です。ノイズ研究所は二〇〇一年、団体交渉を拒否したまま、一方的に成果主義賃金に変更。結果、比嘉さんたちは係長などの地位を降格されたうえ、賃金は最高月額八万円以上も減額されました。
分会長でもある鈴木さんは「私たちの主張が認められてうれしい。会社は判決に従い、賃金を是正すべきです」。JMIUは「成果主義賃金の問題点が明らかになった画期的な判決。『成果主義』に名をかりた賃金引き下げでは労働者の活力も失われる。財界は、賃金破壊の方針をただちに見直すべきだ」というコメントを発表しました。