2004年2月26日(木)「しんぶん赤旗」
京都の養鶏組合が半年前の卵を日付を偽って出荷していた問題を受けて厚労省と農水省は二十五日、業界の自主基準に任せている食品の賞味期限について、科学的根拠のある期限設定となるよう国が指針を示すことを明らかにしました。消費者の求める製造日表示にはいたらないものの、安全性や消費者の知る権利の保障に役立ちます。
厚労省によると、三月初めに、米谷民雄・国立医薬品食品衛生研究所商品部長を座長に専門家と業界関係者で検討班を発足。業界の基準や検査方法などを調査し、〇四年度末をめどに期限設定の統一基準を定めます。
賞味期限は現在、食品衛生法などで表示を義務付けていますが、決め方は「微生物試験などにもとづき科学的・合理的におこなう」としているだけです。具体的にどんな検査をして賞味期限を設定するかは生産者や業界まかせになっています。
京都府の山城養鶏生産組合でも一応、検査をもとに賞味期限を付けて出荷していました。そのため両省では「食品全般に共通の客観的統一的な期限表示」を設定する必要性があると判断しました。
食品の品質表示はアメリカの圧力で期限表示だけになりましたが、製造日表示を求める消費者の要求が高まるなかで、賞味期限に国が関与せざるをえなくなったものです。
日本共産党国会議員団は、期限表示の問題点をただし、製造日表示の義務付けを要求。西山とき子議員は一月二十三日の参院本会議で、山城養鶏組合の問題について、消費者の知る権利、選択の権利を保障する問題だと指摘し、製造日の義務付けなど食品表示の改善を求めていました。