2004年2月24日(火)「しんぶん赤旗」
新日本婦人の会(新婦人)は二十三日、配偶者からの暴力(DV=ドメスティック・バイオレンス)防止法の改正案(骨子)にたいする要望を発表し、参院共生社会調査会プロジェクトチームのメンバーに送りました。 新婦人は昨年十月三十日から十二月二十日まで、「新婦人しんぶん」紙上でDV法改正にたいするアンケートを実施し、被害者二十四人を含めた三十三人から切実な声や意見が寄せられました。
寄せられた声は、▽(夫から)職場へいやがらせのFAXが送られてくる。携帯におどしの声が入る。家を出るときは暴力を振るわれたが、病院にはいかなかった。…離婚裁判に入る。その費用も多額でつらいものがある。…警察も前もって相談したにもかかわらず、…二カ月たらいまわしされ、そのデリカシーのなさに涙が出た。
▽周囲の人間には、「夫の扱いが下手なのよ」とか、「負けて勝ちをとる技がないからよ」と言われました。同じ苦しみを味わった人間にしかわかってもらえず、自分が悪かったのだと長い間、思っていました。
▽私の友人は、三十四歳のとき自殺しました。子どもを持てないことの負い目、夫の言葉の暴力に苦しみ、うつ病を克服できず、二度目の自殺で命を落としました。法律や行政の支援に加え、女性の多様な生き方(子どもをもたないこと)を理解し、女性は自立して生きる、生きやすい場に社会がなってほしい。
これらの声や国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)からの日本政府に出された「最終コメント」(二〇〇三年七月)を踏まえて、(1)暴力の定義を身体的、精神的、経済的、性的暴力にも拡大(2)DV法の対象に恋人や元恋人、同居人を加える(3)接近禁止命令の対象を親、兄弟、姉妹、友人にも広げる(4)退去命令の期間を一年ほどに拡大(5)被害者の自立支援で、財源をともなう国や地方自治体の支援強化(6)加害者処罰や真の更生につながるプログラムと教育。学校教育に人権教育、社会的な啓もうを本格的に組みいれる―を要望しました。