2004年2月24日(火)「しんぶん赤旗」
日本共産党の不破哲三議長は二十三日午後、党本部にヒシャム・バドル駐日エジプト大使の訪問を受け、懇談しました。
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訪問を歓迎するという不破議長の言葉にこたえて、バドル大使は、昨年の着任以来初めて党本部を訪問できたことを喜んでいるとのべました。
不破議長は、バドル氏がアラブ連盟本部で日本共産党代表団を受け入れたこと(当時同氏はアラブ連盟事務局長の首席補佐官)や、原水爆禁止世界大会にエジプトから二年連続代表を派遣し交流が深まっていることを高く評価しました。
バドル大使は、党代表団とよい話し合いができたと当時を振り返りつつ、今日、中東地域での重大で困難な事態として、「イスラエルが国際法に違反して、パレスチナ占領地に分離壁を建設している」と厳しく批判しました。
そしてイラン、リビアなどの大量破壊兵器の問題は解決に向かっているのに、イスラエルの大量破壊兵器にたいしては国際世論の批判が弱いと指摘し、中東地域で、すべての国の大量破壊兵器全廃というエジプトの立場を強調しました。
不破氏は、「大量破壊兵器の問題でダブルスタンダード(二重基準)は許されない」と指摘。日本共産党が、「中東であれ、どこであれ、この問題でも、例外を認めないという立場で臨みたい」とのべました。
また分離壁については、「パレスチナとイスラエルの関係に新たな重大な問題を作り出し、エジプトもかかわってきた和平プロセスを根底から覆す問題だ」とのべました。
バドル大使はまたイラク情勢に触れ、一週間前に開かれたイラク周辺国会議で、(1)イラクの統一を守る(2)イラク国民にできるだけ早く主権を返還する(3)イラクの自決権を尊重し外国の干渉を排する―ことで合意したことを説明。このままではイラクが分断されかねないという強い懸念を表明しました。
不破氏は、イラクへの自衛隊派遣は、国内的には、憲法に違反する海外での武力行使に必然的につながり、国際的には、米英によるイラク占領の追認・合法化となる問題だとのべ、派兵に反対する日本共産党の立場を説明しました。さらに、この行動は、大使の指摘したイラクの統一保持、主権回復、民族自決権擁護の実現に逆行する役割を果たすとの問題点も、あわせて指摘しました。
懇談では、日本政治の現状などについての大使の質問に不破氏は答えました。最後に日本共産党と在日エジプト大使館の間の継続的な対話、友好関係の発展についても話し合いました。
懇談には、日本共産党から緒方靖夫国際局長・参院議員、エジプト大使館からアハメド・ファルーク参事官が同席しました。