2004年2月23日(月)「しんぶん赤旗」
二〇〇四年度予算案を審議している衆院予算委員会では先週、自民、公明両党が予算案採決の前提となる公聴会日程(二十六、二十七の両日)を一方的に決めました。
この間の審議では、日本共産党など野党の追及により、年金改悪など国民に新たに三兆円の負担増を押しつける問題が明らかになる一方で、巨額の公的資金が投入された新生銀行の株式上場による外資のぼろもうけや北海道警の裏金づくり、日歯連と自民党との癒着など、予算執行のあり方が大きく問われる問題が噴出しています。日本共産党など野党側は、これらの問題で参考人招致を要求していますが、与党側は応じる姿勢をみせていません。
週明けの予算委員会は二十三日から一般質疑を続け、二十五日に小泉純一郎首相が出席して社会保障や「構造改革」に関する集中審議を行う日程が固まっています。政府・与党は三月上旬の予算案の衆院通過を狙っており、緊迫した局面を迎えます。
二十七日の衆院本会議では、「三位一体改革」による補助金削減の柱である義務教育費国庫負担金改悪法案の趣旨説明と質疑が行われます。教員の退職・児童手当にたいする補助金を国庫負担金から外すもので、国が責任を負っている義務教育の根幹を危うくするものです。
先週本会議で趣旨説明が行われた、「三位一体改革」にかかわる地方財政三法案は衆院総務委員会で審議入りする動きが強まっています。
外交問題も焦点です。
二十五日から北京で開かれる北朝鮮問題をめぐる六カ国協議を前に、衆院外務委員会北朝鮮問題小委員会では二十四日、拉致被害者家族を参考人に招き、質疑と自由討議を行います。
来日しているアナン国連事務総長は二十三日に小泉首相と会談、翌二十四日には参院本会議で国会演説をします。
参院憲法調査会は二十五日に「平和主義と安全保障」をテーマに参考人質疑を行い、衆院憲法調査会は二十六日に四つの小委員会の報告をうけた自由討議を行います。